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Paris Report

すっかり秋のパリになりました。
木々が色づき、あたたかな飲み物が欲しくなる季節ですが、先月に引き続き毎週各労働団体やガザのデモやストを実行していますので、外出の際は出かける方面の交通事情などを調べて出ないと大変なことになっています。

ジョルジュ マチュー

『ヨーロッパ抽象リリック』1947年パリで生まれたアートのムーブメントです。
戦後すぐに!と驚きますが、アートがないと生きていけないフランス人なのでしょう。この運動の旗頭「抽象画の父」とも言われるジョルジュ マチュー。
彼の回顧展が開かれています。場所は「えっ本当?」と確認したくなる場所でした。
抽象画の作品が“864年設立”の歴史的な建物「モネ・ド・パリ、パリ造幣局の中で?」「モダンな作品を展示するのにぴったりな美術館はパリにいくらでもあるのに」と思いながらいきました。
吹き抜けのどこまでも高い天井とクラシックな階段の正面に彼の巨大な抽象画が鎮座していました。重々しい建物に全く負けない作品は、圧巻!!流石!この組み合わせ。
残念ながら日本人にはない感覚を感じました。パリの街中にこんな場所があったと驚く装飾された大広間。この迫力にも負けない彼の作品に敬服しました。
そして展示方法、作品のバックの色、自然光の入れ方と総合的に素晴らしい空間ができていました。
大きな作品の他に、どこかで見たことがある昔のエアーフランスのポスターや、色の強さが彼の特徴でもあったのに、日本に影響されモノトーンの作品を作った彼の感覚の柔軟さを感じました。

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Monnaie de Paris
11 Quai de Conti, 75006 Paris, フランス

奇跡のメダイ

世界で一番古く、パリで一番かっこいいデパート。それは『ボンマルシェ』とパリの人は誰でも言うでしょう。そこの正面入り口でなく横丁の商店街に世界から人が集まる「奇跡のメダイ教会」があります。『Chapelle notee dame de medaille miraculeuse 』直訳すると奇跡のメダイの私たちの婦人教会となりますが、私たちの婦人とはマリア様を指します。
私はこの辺に住み始めて初めて訪れた時には通り過ぎてしまいました。あまりにも地味な入り口だったからです。普通教会の前にはお庭があり、車も停められるイメージがありませんか?こちらには全くありません。
商店街、デパートの裏、殺風景です。入ると右には、事務所?左は壁の細長い通りをいくと突き当たりにやっと礼拝堂があります。
なぜこの境界が有名になったかと言いますと、歴史は古く、時は1830年。カラリナ・リブレという若い修道女にマリア様が何度か現れて「メダイを作りなさい。」と告げられたそうです。
その後コレラが蔓延してこのメダイを配ったところコレラが激減したそうです。『このメダイを持っていると幸せになる』『奇跡が起きる』とカトリック教徒に広まり、世界的に有名になったそうです。
礼拝堂の手前には売店があり各国からいらした方々は、一袋に20個30個入りを買っていきます。そんなにどうするのか?とレジのシスターに聞くと「お国に帰って友人親戚ご近所の方々に配るんですよ」と教えてくださいました。
定番のメダイは持っているのですが、今年の新作を見つけてしまい、俗人の私は買ってしまいました。
礼拝堂には世界から集まった聖職者の方々や敬虔な信者の方々が祈りを捧げています。聖カタリナ・リブレの遺体がガラスのケースに入っている礼拝堂はいつも静寂な美しい場所です。
観光でお越しの方も静かにお祈りをいたしましょう。教会は神聖な場所ですので大声を出したりフラッシュ撮影をするのは大変失礼でお邪魔ですね。

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Chapelle notre dame de medaille miraculeuse
140 Rue du Bac, 75007

リチャード・アヴェドン

毎月数々の写真展があるパリですが、今年一番!と評判のアヴェドンの写真展に行ってきました。場所は、写真史の教科書に載っているパリの写真家ブレッソンの財団の美術館です。
アメリカ人のアヴェドンですが、ディオールやシャネルの撮影をするためにパリに滞在しファッションフォトグラファーとして有名になった彼は、この街とは深い縁がある写真家です。
そんな時にテキサス州フォートワースのエーモン・カーター美術館から「アメリカ西部のポートレートを撮影してほしい」という依頼があり、1979年に始めて6年間にわたり189の町を巡り、762名の人々をモノクロで撮影した大量ポートレートになり、1985年同美術館にてシリーズ初の展覧会が開催されました。
その際刊行された写真集が、「IN THE AMERICAN WEST」です。今回の写真展は40周年を記念しての同タイトルになりました。
アヴェドンといえば、モデルや有名人を撮影していましたが、このシリーズでは農民、運転手、学生、ホームレス、ウエイトレス、炭鉱夫、主婦などを撮影しています。会場にアヴェドンの言葉が残されていました。
「私がこのシリーズで取り上げたのは誰も目を向けない人たちです。しかし彼らが世の中を作っています。働いているのは彼らなのです」とカメラを通して現実を実感したのでしょう。
アヴェドンのポートレートは、いつも同じ色調、ライティングも同じなので、その人物に目が行きます。今回の写真展では作品を作る裏側、メイキングも展示してあったので、ただの写真展ではありませんでした。どうやって、いつも同じように見えるかの工夫、例えば現像の際に「覆い焼き」というテクニックがあるのですが、その指示書は、驚くほど細かなので驚きました。
軽くぱちぱち撮ったポートレートに見えますが、実はその裏で多くのスタッフの力の結晶で一枚ができていたと知りました。これらはフィルムの時のことで、現在は一台のパソコンでできてしまうテクニックなのです。しかし何かが違う温度差を感じました。

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アンリカルティエブレッソン
79 Rue des Archives, 75003 Paris,

ポワラーヌ

日本からいらっしゃった方が「絶対に行きたいパン屋さんなので一緒に行ってください」と言われて、「ああああそこ!!しばらく行っていないな」と思い、お付き合いしました。
お目当ては“クッキー”です。今は日本でも買えるらしいですが、本場の味を味わいたいそうで、各サイズをお買い上げ。日本にはバターたっぷりの美味しいクッキーがたくさんあるようですが、ここの物は、至ってシンプルで素朴なクッキーです。ただ、材料にはこだわっていて、小麦粉、卵、塩、砂糖、バターのみ。
塩はもちろん天然塩、ゲランド産です。小麦粉はフランスで最高級なボース地方とブリ地方のブレンドを使用しています。クッキーが有名になり、でも買えるようになりました。しかしここのおすすめは他にもあります。
まずはカンパーニュパンです。丸ごと買って1週間かけて食べてもいいですが、4分の1をその場で切ってもらうのも便利です。もう一つのおすすめは“ショッソンオポム”。りんごのパイです。これは日本で買えないでしょう。
なんともりんごの味とパイの調和が幸せを感じさせてくれます。寒くなってきたので、自宅に戻ったらすぐに暖房機の上に置き、それから温かい飲み物を準備しました。
強いコーヒーよりもクセのない紅茶やハーブティーが美味しさを高めます。
ポワラーヌでの一つご注意を!バゲットは作っていないパン屋さんです。

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boulangerie Poilane
8 Rue du Cherche-Midi, 75006 Paris

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