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London Report

日没が早まり一気に冷え込み始めたロンドン、黄色い落ち葉が小さな庭を覆い尽くすほど大きく育った桜の木に見かね、そろそろ業者に頼もうと連絡を入れたところ、なんと8年前の値段の3倍という査定額に驚愕!ロンドンの物価上昇に日々驚かされるこの頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?気を取り直してロンドンからの最新レポートをお届けいたします。

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ロンドンセンター街の1区にあるブルームズベリーは、大英博物館や大学などが多い閑静なエリア。その一角にある小さなコートヤードに、知る人ぞ知る隠れ家的なカフェ「Cafe Le Cordon Blue」がある。このカフェは1895年にパリに設立され、今や世界20ヵ国にネットワークを持つ名門料理学校 ル・コルドン・ブルー のロンドン校に併設したカフェで、提供される製品は全て敷地内の厨房で、料理学校で修業したシェフたちが作っているのだとか。ここではパリジャン・スタイルの朝食やランチが提供され、クロワッサンやマカロンはもちろん、アーティザンブレッド、ペイストリー、サンドイッチ、サラダ、日替わりメニューには季節の素材を使ったシェフスペシャルやスープなど。コーヒーやスムージー、地元の醸造所で作られたビールなども楽しめる。客席は店内の30席に加えテラス席もあり、天気の良い日は中庭の雰囲気が楽しめるテラスがおすすめ。営業時間は、月〜金曜日7:30am -6:30pm、土曜日8:00am-3:00pm。12〜1時のランチタイムに商品の大半が売り切れてしまっても、午後から商品を追加することはないのだとか。ケーキは毎日6種をそれぞれ3個ずつしか作らないということなので、色々選びたいのなら11時頃が狙いどき。

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ELWINは人にも環境にもやさしいサステナブルなもの作りを目指す、イギリスの上質なレディース・ファッション・ブランド。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズで学び、ファッション業界で20年ものキャリアを積んだ後、このブランドを立ち上げたという創設者のディアンさん。ニットウェアはいつも祖母が編んでくれた物を着ていたそうで、その影響もあってか、幼少の頃からスケッチや裁縫などクラフト全般に関心があったのだとか。ブランドの特徴は、ナチュラルな素材を使い、質の高い製造方法で、モダンかつ用途の高い洋服やニットウェアを作り、心地よく着続けられる持続可能なものづくり。シーズンごとに新しいコレクションを発表するのではなく、継続しながら進化するスタイルで、無駄をなくした少量生産。ファブリックには、柔らかさと光沢のあるBluefaced Leicesterという珍しい品種の羊毛や、ナチュラルコットン、高級ブランドのサープラス・ファブリックを再利用したりもしているとのこと。製造もローカルで行うことで地元の雇用にも貢献している。昔ながらの店構えとショーウィンドウが可愛らしいお店の営業は土・日曜日のみ11時〜4時まで。オンラインでの販売も行っている。
https://elwinstudio.com

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MambowはAbby Leeさんがシェフ/オーナーを務める人気のマレーシア料理のお店。ル・コルドン・ブルー・ロンドン校で料理を学んだ後、海に囲まれたイタリア南部プーリア州に渡り、イタリアの海鮮や郷土料理を習得。ロンドンに戻り2020年に自らのビジネスをスタートするも、コロナに阻まれひとまずマレーシアに帰郷、そこで向き合った郷土料理の素晴らしさに目覚め、昨年の11月ロンドンにこのお店をオープンしたのだとか。店内はカラフルなタイルがあしらわれたオープンキッチンに、キャンティーン風の気取らないインテリア。不定期に入れ替わるメニューは選りすぐりの12品のみ。定番は、エビのすり身をトーストの上に乗せてバナナの葉で包み、蒸し焼きにした料理 Otak-Otak Prawn Toastや、ジューシーなムール貝に、7種のスパイスがブレンドされたマレーシアのカレーパウダー、乾燥させたシュリンプオイル、大豆ペーストなどのフレーバーがマッチした Kam Heong Mussels。今月の一品は、鯖を丸ごとバナナリーフで包んで炭火で焼きあげ、仕上げにサンバル、ポメロ、エシャロットを和えた Rempah Fishなど。とにかくどの料理も素材とフレーバーのバランスから盛り付けまで全てパーフェクトで、人気の理由に納得。黒板に書かれたワインリストのほかカクテルなども楽しめる。
https://www.mambow.co.uk

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毎年恒例、国立美術館テート・ブリテンで行われている「Turner Prize」は、イギリス出身もしくはイギリスを拠点として活動するアーティストに贈られる権威ある賞。イギリスロマン主義を代表する画家ウィリアム・ターナーの名にちなんで命名されたこの賞は、イギリス現代アートの新たな開拓の議論を目的とし、1984年から開始され、今年で40年目を迎えた。毎年4人の候補者が選ばれ、過去には、ダミアン・ハーストのホルマリン漬けにしたサメや、トレーシー・エミンの日用品が散乱した自分のベッドを再現した作品をめぐっては、大きな論争が起こり、良くも悪くも現代アートがイギリス市民の話題となり、アートを身近なものにした。今年ノミネートされた4人には、出身地フィリピンを中心に、文化的損失や植民地時代の歴史を探究する Pio Abadさん。黒人女性や男性の肖像画を描く Claudette Johnsonさん。没入感あるサウンドとさまざまなオブジェクトで構成されたインスタレーションアートの Jasleen Kaurさん。死、喪失、復活、ジプシーの豊かな文化的歴史と神話との関わりがテーマの Delaine Le Basさん。どの作品も、個人の記憶や家族の物語に留まらず、アイデンティティ、コミュニティ、所属、神話を反映し、観客に幅広い質問を投げかけ、複雑に絡み合った歴史と共有された未来を再考させる。受賞者は12月3日に発表され、25,000ポンドを手にすることとなる。

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