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Report

Milano Report

3月の最後の週末にイタリアは夏時間になり、一気に日が長くなりました。天気が良いと日差しも既に春。街の花屋にはカラフルな花が咲き乱れ、一気にミラネーゼが大好きな夏へ向かう季節。花に囲まれたカフェ情報から、開幕間近の4月恒例、イタリアの一大イベントであるミラノサローネ情報までお届けします。

春爛漫!オーダーメードのケーキと花のカフェ、サポーリ・フロレアーリ

サポーリ・フロレアーリ。花の香り、という愛らしい名前の花屋 兼 カフェ・パスティチェリア(お菓子屋)が昨年末、中心街にオープンした。
近年、ミラノで店舗を拡大している人気の花屋、FRIDA(フリーダ)とのコラボレーションだ。カラフルなテーブルには小花が飾られ、花に囲まれて気軽にカフェができるだけでなく、スイーツや簡単なパニーノ(サンドイッチ)も楽しめる。オーダーメードできるケーキの種類は、ラクトースフリー、グルテンフリーやビーガンも受け付けており、好みでカスタマイズできるので、ダイエットや不耐症の人にも嬉しい。
デコレーションには、エディブルフラワーが華やかに演出してくれる。提携している花屋、FRIDA(フリーダ)はいまやイタリア全土に店舗を展開するフラワーチェーン。色も種類も豊富で、「コーン」と呼ばれる簡単なブーケも気軽に作ってもらえる。サポーリ・フロレアーリは、ドゥオモから伸びるトリノ通りとミッソーリ広場の間にある、ウニオーネ広場に面し、ミラノのど真ん中でありながら、驚くほど閑静な一角で静かにカフェができる隠れ家的存在というのも嬉しい。買い物に疲れた時、どこもいっぱいでちょっと休憩したい時にもオススメだ。

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Sapori Floreali
Galleria Unione,4, 20123 Milano
営業時間:8:00 – 19:30 (月曜日定休日)
電話:+39 344 3858684

息を飲むビッグスケールな展示、「光のライブラリー」がブレラ美術館に出現!

光、音楽、言語を融合させたマルチメディアインスタレーションで名声を博す舞台デザイナー、エス・デヴリンの壮大な回転するインスタレーションが、4月にブレラ美術館の中庭で展示される。
毎年4月に開催されるミラノサローネ国際家具見本市が一般市民も巻き込むエキサイティングなイベントを用意してくれた。現在の代表、マリア・ポッロ氏が舞台芸術を学んだことで、毎年文化イベントのグレードの高さが半端なく、あらゆる業界から注目を集めている。
今年、代表が選んだ文化イベントを担当する4人目のアーティストは英国人のエス・デヴリン。テート・モダンからロイヤル・オペラ・ハウス、ナショナル・シアター 、オリンピック・セレモニー、スーパ ーボウルのハーフタイム・ショー、更にはビヨンセやU2などのコンサートから、サンローランやディオールのファッションショーのセットデザインを手がけるなど、その活動は実に幅広い。
ブレラ美術館の展示は「光のライブラリー」。デヴリンがブレラ美術館を訪ねた際、唯一、女性の胸像が目に留まった。それはマリア・ガエターナ・アニェージ。数学のパイオニアと呼ばれ、光の伝搬と電磁波の流れを研究し、数学的な曲線を描いた非凡な頭脳の持ち主。
「光のライブラリー」はデヴリンからアニェージへのオマージュとして生まれた。今年のサローネのスローガン、「Thought for Humans.(人間のための思考)をテーマに、フェルトリネッリ出版が選び寄贈する2,000冊の本が円形の光のライブラリーに並び、来場者は閲覧するこができ、また、自分の本を寄贈することもできる。
ところでこのブレラ美術館、併設する国立ブライデンセ図書館とともに、昨年末、52年の沈黙を破って開館したパラッツォ・チッテリオ、そしてミラノ名物、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」と合わせて「グランデ・ブレラ・ミラノ」と新しく命名された。いま、ミラノで最も熱いカルチャースポットをジャックする「光のライブラリー」は必見だ。

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*中央レンダリング画像(上下):Courtesy Salone del Mobile.Milano
*左上:工事中の展示風景。左下:アニェージの胸像。右上:壁一面に本が並ぶ圧巻の図書館でのカンファレンス。右下:ブレラ美術館外観

Es Devlin. Library of Light –Salone del Mobile.Milano
場所:Pinacoteca di Brera – Cortile d’Onore (ブレラ美術館-名誉の中庭)
開催時間:4月7日- 21日 - 毎日9:00 – 21:00 入場無料

ミラノサローネ 2025コミュニケーションキャンペーンが街をジャック!

今年も4月8日から6日間、ロー・フィエラミラノで開催される、「ミラノサローネ国際家具見本市(日本では通称ミラノサローネ)」のコミュニケーションキャンペーンが街をジャックしている。
ミラノ市のシンボル的存在である路面電車、トラムなどがコミュニケーションキャンペーンを纏い、3月17日からなんと500台も街を横断している。
デジタル広告は国内13の空港と、ジェノヴァからローマまでの地下鉄や鉄道の駅、バス停など、1000ヶ所以上、3000台以上のモニターが設置され、イタリア全土もジャックしている。
こういった現象はファッションウィークの比でなく、いかにミラノサローネが国を挙げての一大イベントであり(それだけの経済効果もあるということ)、また、多くの一般市民や観光客も巻き込み、楽しんでもらえるデザインの祭典であるか、ということがうかがい知れるだろう。
恐らくそれは、「デザイン」というものが、家具・インテリアにとどまらず、アート、芸術、音楽、光、そしてファッションや食、さらにはあらゆる「素材」まで、有形、無形、全てを巻き込む人間にいちばん近い存在だからだろう。
電通クリエイティブ・イタリアが担当した今年のコミュニケーションキャンペーンは、まさに、家具・インテリア業界がいつも大切にしている、人間の身体と素材との自然な調和に着目し、「Thought for Humans.(人間のための思考)」をテーマにした。木、金属、布、バイオプラスティック、そして無形素材である光を使った大胆でメッセージ性の高い広告画像がミラネーゼの目を惹きつけている。撮影はニューヨークのアーティストで、特にボディ写真を専門とする写真家、ビル・ダーギンだ。
ミラノの中心街、ダンテ通りには撮影のバックステージ風景や、ミラノサローネの歴史を紹介するパネルが、ドゥオモ前からスフォルツェスコ城までずらっと並ぶ。「デザインと身体が融合し、ひとつになるエモーショナルな旅:私たちの生活の質を向上させることを目的とした」と、ビル・ダーギンが語る「デザインのビジョン」を通して、今年もますます盛り上がりそうだ。

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Communication Campaign 2025: Courtesy _Thought for Humans_Salone del Mobile.Milano 2025

Salone del Mobile.Milano/ミラノサローネ国際家具見本市 主催
Vernissage :BILL DURGIN写真展

場所:Via Dante, Milano
開催期間:3月25日 - 4月15日 24時間オープン
ミラノサローネ会場:Fiera Milano, Rho
開催時間:4月8日-13日9:30– 18:30 (一般開放:12-13日)

ナヴィリオ運河を愛し愛され約半世紀、レストラン「イル・モンタルチーノ」

イタリア三大銘酒として知られるバローロ、バルバレスコと並ぶ高級ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。1978年、その生産者とのご縁からこのレストランは誕生し、はやくも約半世紀が経ったいま、幾度かの改装を経たにもかかわらず、このレストランはミラノで最も魅力的な場所のひとつとなり、その魅力を今なお保ち続けている。
お料理は当然ながらモンタルチーノ・ワインの産地、トスカーナ料理、いや、モンタルチーノがあるシエナ料理だ。ナヴィリオの美しいロケーションにあるレストラン「イル・モンタルチーノ」の名物は、なんと言ってもピチ・アル・チンギーレ。軽くスパイスを効かせたイノシシのラグーをモンタルチーノの伝統的なピチと呼ばれる太めのパスタに絡めて食す。なかなかの絶品だ。
また、ブルネッロのワインで低温調理した牛頬肉のストーロ産ポレンタ添え、昔ながらのタリアータとジャガイモのソテー、タイムとペコリーノ・ディ・フォッサチーズを添えたポルチーニ茸、様々なバリエーションのタルタル・・・と、どれもエネルギッシュなトスカーナ(シエナ)料理で満足度は十分高い。
そしてなんと言ってもこの独特の内装と美しいテーブルセッティングは、居心地の良い豪華さを醸し出し、一種の風景画の中に飛び込んだようで、一度来たら誰もが虜になる。 2023年には運河をさらに下ったところにあるサン・クリフトフォ教会の広場に面してモンタルチーノ・カフェがオープンし(昨年、紹介済)、世代から世代へと受け継がれ、オーナー一家の物語はこれからも続き、ミラネーゼを魅了し続けるだろう。

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Il Montalcino - Ristorante
Via Valenza 17, Milano
営業時間:12:00–14:30,19:30–22:30 (無休)
Email:info@ilmontalcino.it

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