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Report

Milano Report

この秋、リナーテ空港からサンバビラまでしか開通していなかった地下鉄M4(青線)が、やっと全駅開通しました!これによりミラノの中心部から南西への行き来がかなり楽になりました。空港直結のM4線はM5線と同じく日立グループのヨーロッパにおける鉄道部門、日立レールSTSの車両が導入されており、無人運転。M4、M5は共にホームと改札階、改札階と地上を結ぶエレベーターが完備なので旅行者フレンドリー。残念なのは既存の3路線(M1・M2・M3)のほとんどにエレベーターがないので乗り換える際は要注意。とはいえ、最近、既存路線の駅にもホームと改札階のエレベーター設置が進んでおり、いずれは更に便利になると期待したいところ。更に、市内のバイクシェアリング(自転車)は、これまで零時で終了だったのが、午前2時まで利用可能になり、地下鉄の終電(0時半ごろ)を逃した後にも利用できるのは朗報。少しずつ暮らしが快適になっていくミラノより今月もレポートします。

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スターシェフレストラン完備の5つ星ホテル、「カーザ・ブレラ」オープン!

スカラ座とブレラの間という便利な場所に、この9月、マリオット・グループの5つ星ホテル、「カーザ・ブレラ」がオープンした。スターシェフのレストランを兼ね備える「カーザ・ブレラ」は、イタリア合理主義の第一人者である建築家ピエトロ・リンゲリが1950年代後半に建設した建物を改装したとあって話題を呼んでいる。今やデザイン界のクイーン、パトリシア・ウルキオラが全面的にデザインを手掛け、ラグジュアリーなライフスタイル・ホテルとして生まれ変わった「カーザ・ブレラ」は、ロンバルディアの首都の合理主義建築にオマージュを捧げ、厳格な様式と、クリエイティブなセンスを見事に調和させた。スカラ座の裏通り入ってすぐのピアッツェッタ・ボッシに面した8階建ての「カーザ・ブレラ」は、現代のミラノの中に息づくデザイン、芸術、文化の真髄にインスパイアされた116の客室を擁している。  飲食はというと、終日営業のラウンジ・バー「カーザ・ブレラ・リビング」では、その便利な立地条件から、待ち合わせを兼ねたカフェやアペリティーヴォ、または夕食後に気軽に軽く一杯飲むのにも最適な空間だ。レストラン、「シェーナ」では最高級のイタリアンを提供。そしてなんといってもお勧めなのがスカイバー兼パノラマ・ルーフトップレストラン、「エテレオ」だ。シックなインテリアにオレンジがアクセントとなっている屋内レストランに張り巡らされた窓からはドゥオモやミラノのスカイラインが360度楽しめる。午後5時から午前1時まで営業のこのスカイバーでは、天気が良いと外席も利用でき、夏はプールも楽しめる。これらの3店舗はスターシェフのアンドレア・ベルトンが監修。そして地上階には日本人スターシェフが監修する日本食レストラン「おだち」も完備している。

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CASA BRERA
Piazzetta M.Bossi n.2, Milano

華麗なドレスとデザインの協奏曲、「フォルメ・モービリ展」開催

ミラノ・トリエンナーレの常設展、「イタリア・デザイン・ミュージアム」で10月25日より始まった新しい展覧会、「フォルメ・モービリ(モバイル・フォーム)展」は、シルエットと動きの多様な関係を探求する一連の収蔵品と借用品を一堂に会し、常設コレクションに華やかな息吹を吹き込み話題となっている。この新しい展示は、メイド・イン・イタリーに生命を与えたデザインをテーマ毎に10のセクションで紹介する。「身体力学との関連」、「芸術からのインスピレーション」、「伝統的な職人技との関係」、「国際的なデザインコミュニティの進化」などを通して、メイド・イン・イタリーを生み出した生産的な現実の構築についても検証し、継続性と革新性を浮き彫りにする。トリエンナーレでリニューアルされたこのコレクションには、デザイン界の巨匠たち、アントニオ・チッテリオ、チンツィア・ルッジェーリ、カルロ・スカルパ、エットレ・ソットサス、ソール・スタインバーグといった著名人に捧げられた最近の収蔵品が含まれ、既存の展示品に華を添えている。そして「フォルメ・モービリ展」の最も興味深い側面は、デザイン界とファッション界との対話である。フォルム、素材、歴史的な時代、デザインのアイデアの間の構成的な一致を通して、ファッションとの接点を見出す。ジョルジョ・アルマーニやマルタン・マルジェラ、ジャンフランコ・フェレ、ドルチェ&ガッバーナ、クリッツィア、ヨウジヤマモトなどの華やかなドレスやアクセサリー、グッチのテニスバッグやバレクストラなどが、デザイン・ミュージアムのパーマネントコレクションと絶妙に調和する。このインスタレーションは、2024年2月にオープンしたトリエンナーレの歴史的アーカイブとスタディセンター、「クオーレ(ハート)」の理想的な続編ともなっている。コンテンポラリー・プロジェクトに特化した展示の最後を飾るデザイン・プラットフォームでは、ファッションに焦点を当て、ファッション・デザイナー、モニカ・ボルゾーニ(Monica Bolzoni)を詳しく紹介している。マルコ・サンミケーリとアンナ・ディ・チェーザレのキュレーションによるモニカ・ボルゾーニ展は、2025年1月12日まで開催予定。

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Museo del Design Italiano “Forme mobili”/Triennale Milano
Viale Alemagna, 6, Milano
開館時間:10:30 – 20:00 (定休日:月曜日)
2025年4月13日まで開催

極薄のパリパリピッツァ「クロッカ」がブームに!

「ピッツァは好きだったけど1枚食べきれない!」と嘆くミラノのマダムでも、ペロっと1枚平らげられてしまうピッツァ、「クロッカ」が誕生した。ナポリピッツァとは別モノ、お腹にドーンとこない軽さ、薄さ、それでいてクリスピーな美味しさでニッチな市場ながら人気を博している。その秘訣は材料だ。上質のスペルト小麦、大豆、トーストした小麦ふすま(小麦ブラン)にとうもろこし粉を混ぜ合わせ、パリッと焼き上げている。生地が少し粒々しているように見えるのは、小麦ふすまのせい。パリッとしたローマピッツァと、薄いロンバルディアピッツァをミックスしたピッツァの新潮流と言えよう。トッピングの量は通常のピッツァと変わらず、生地だけが極薄なので、女性にはダイエットでも気にならず、男性なら軽く2枚は食べられるだろう。実は2020年オープン予定だった「クロッカ」。パンデミックにより2年延期を強いられたが、2022年より、 “1970〜80年代のスタイルを重んじる老舗”、で知られる「ピッツィウム/Pizzium(プロカッチーニ通り)」のグループ傘下に入ったことで、ミラノ市内を中心に近郊やトリノ、ヴェローナにも店舗を拡大し飛躍的な成長を遂げている。写真の店舗は凱旋門のすぐ裏にこの秋オープンしたばかりのメルツィ・ディ・エリル通り店だ。内装は一貫してオレンジとグリーンの壁にカンパリやチンザノ、マルティーニといったイタリアを代表するカクテルのヴィンテージポスター、というレトロでポップな親しみやすい雰囲気が特徴だ。 イタリア人にとって海外旅行へ出掛けても欠かせないピッツァ。そういえば昨年は16年間逃亡していたマフィアのボスがピッツァ食べたさに、逃亡先のフランスのイタリアン・レストランで自らピッツァ職人となり、それがあまりに美味しくソーシャル上でも人気を博してしまい、インターポールの眼に触れることとなった、というちょっと笑える逮捕劇があったばかり。“未来のピッツァ”は薄くパリパリ(イタリア語で「クロッカンテ」)な「クロッカ」が主流となるか?楽しみなところだ。

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CROCCA
Via Melzi d’Eril, 3 Milano
営業時間:12:30 – 14:30 (金-日曜日は15:00まで)、19:00 – 23:00 (金-日曜日は23:30まで)
*営業時間は店舗によって異なります。
*予約はオフィシャルサイトの各店舗のページより可。

秋の花とインテリアを楽しむ店、クロリ・ホーム&フラワーズ

花とインテリアオブジェのコンセプトストア「クロリ・ホーム&フラワーズ」は、 2015年、サン・エウストルジオ大聖堂の前にオープン。「野の花のような」愛らしい花々がエキゾチックな植物と共にふんだんに飾られ、洗練されたデザインのオブジェと共存する居心地の良いスペースで、感度の高いミラネーゼの間で大人気だ。ブーケやコンポジション(フラワーアレンジメント)だけでなく、このクリエイティブな空間に活気を与えるオーナー夫婦は、テラスや庭園のデザイン、イベントのフラワーアレンジメントも手がけている。植物や花だけでなく、調度品、テキスタイル、版画、キャンドル、クッション、陶磁器なども販売されている。一つ一つにストーリーがあり、植物とホームインテリアが調和し、「クロリ」独特のハーモニーを奏でる空間は、日常を忘れさせてくれるオアシスだ。モダンか、ヴィンテージ風か、テイストに合わせて、植物や花に合わせ、花瓶や小物なども一緒に選んでくれる「クロリ」。この日、友人のバースデープレゼント用に選んだ花束に合わせたのは花瓶にも使えるピッチャー。吹きガラスなので1点もの、45ユーロ。決して安くないが他で簡単に見つけられないセレクトの良さが売りだ。店内は撮影禁止なため、写真はウィンドウ越しに撮ったものと、個人宅で撮影したもの。  ちなみに、正面にそびえ立つサン・エウストルジオ大聖堂だが、4世紀(344年)に創建されたミラノの豊かな歴史と文化遺産を示す証の一つだ。ミラノへやってきたギリシャの主教、聖エウストルジオ1世がミラノの主教に任命され、伝説によると、皇帝コンスタンティヌス自らが、聖エウストルジオに三人の聖者の遺物をコンスタンティノープル(現在のトルコ・イスタンブール)からミラノへ運んだとされており、聖書の御者たちの遺物が存在することで重要な巡礼地となっている。観光も兼ねてミラノでも知る人ぞ知る美しいスポットを訪れ散策するのもお勧めだ。

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Clori Home and Flowers
Via Santa Croce, 21 Milano
Email: clorimilano@gmail.com
営業時間:9:00 – 19:00 (日曜日:10:00 – 13:30) 無休
姉妹店: Corso di Porta Vigentina 36 (2019年オープン)

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