Milano Report
毎冬恒例の霧が比較的少なく太陽と青空に恵まれるこの冬。
空気が綺麗な日はモンブランまで見えます。
そんなミラノと、今回はローマ特別編も交えてレポートをお届けします。
ドイツ生まれ、ポルトガル育ちの陶器「モーテル・ア・ミイオ」、ミラノに上陸!
肌を滑る潮風と子供の笑い声。ハンドメイド陶器の世界で、急速に注目と評価を高めている「モーテル・ア・ミイオ」の旅は、ポルトガルの家族旅行から始まった。ポルトガルのその鮮やかな色彩に魅了された二人のドイツ人、アンナとローラは、晴れた日に手作りの陶器に出会い、一目惚れ。「このユニークな作品を世界に広めたい!」と、ポルトガルの休日の空気を世界中に広める目的で、最初の一歩を踏み出し、2016年、同じようにユニークな陶器に心を躍らせる生産者探しが始まった。使用される粘土は、強度と汎用性を考慮して選ばれた高品質のもの。粘土ができあがると、職人が手作業や旋盤を使ってひとつひとつ成形していく。焼き上がった作品に伝統的な釉薬と顔料を使用し、職人によって手作業で、鮮やかな色彩と細かな絵柄が描かれる。徐々にヨーロッパで展開する中、2024年9月、高品質のクラフトマンシップとエレガントなデザインを高く評価することで知られるイタリア市場への進出は熱烈に歓迎された。年末までのポップアップの予定が人気を博し、新年3月まで延長となる人気ぶり。食器、カップ、マグカップ、大小さまざまなボウル、サービングプラッター、水差し、ティーポット、ミルクジャグ、バターディッシュ、楽しいエッグカップ、そしてベーキングディッシュやトレイなど、食卓を彩るカラフルなアイテムが勢ぞろい。3月2日まで。
MOTEL A MIIO
ミラノ・ポップアップストア 2025年3 月2日まで
Corso Garibaldi 30 Milano
営業時間:10:30 – 19:30 無休(月曜日は15:00-19:30)
驚きの手触り。高級リサイクルブランド「リフォ」のポップアップがミラノに!
「デニムロングパンツ(コットン95%+その他の繊維5%以下)、ウールまたはカシミアセーター(ウール95%+カシミア5%、カシミア95%+ウール5%)に限ります」という高い基準を設けたリサイクル条件により、驚くほどふんわり極上な手触りのニット製品の再生を実現しているトスカーナのブランド、「リフォ」が、この冬、ミラノのコルソ・ガリバルディにポップアップストアをオープンした。黄色やオレンジ、ライトグレーといった暖色のニット小物に惹かれてウィンドを覗いていると、通りかかった女性が「知ってるわ、このブランド!ユニークな再生方法を持つプラートの素敵なブランドだわ!」と興奮して彼氏に語るのを聞いたので入ってみた。ニッコロ・チプリアーニによって2017年12月に設立された「リフォ」は、100%再生された繊維から作られた高品質のニットウェアと小物を生産する。カシミア、再生コットン、リサイクルウール、そしてジーンズ。古くなった衣服や繊維くずなど、再生可能な素材を選び色や種類ごとに選別され、ほつれ止めされ、新しい糸に加工され、最終的に丈夫で質の高い新しい衣服に織り上げられる。繊維を染め直す手間を省き、水や化学薬品を何リットルも節約することができる。更に、「リフォ」の製品も再生可能なのだ。極力、サプライチェーンのトレーサビリティと倫理性、そして持続可能な生産の影響に関する信頼できる調査とデータを保証できる生産者のみを厳選するこだわりも、品質を保っている秘訣だろう。価格についても、この循環型サプライチェーンに関わるすべての人々を大切にし、製品とその背後にある仕事の真の価値を、サイト上でファーストファッションと「リフォ」の比較表で明確に示している。例えば労働(EU外vs国内)」、素材(化学繊維vs 生分解性、リサイクル、再生可能 )、配送距離(大陸間vs30km以内)という風に分かりやすい。ショップでは、使用済みのウール、カシミア、ジーンズを回収ボックスも設置。地元の透明性の高いサプライチェーンを通じて、プラートでリサイクルされ、新しい糸に生まれ変わる。その見返りとして、ショップやウェブサイトで20%割引を受けられるシステムだ。こうして廃棄物を減らし、本来なら埋め立て処分されるはずの素材に新たな命を吹き込むことへ貢献する地球にやさしいブランド。ミラノ店は新年1月6日まで営業。
Rifò
ミラノ・ポップアップストア
Corso Garibaldi 46 Milano
営業時間:10:30 – 14:00、15:00 – 19:30 (土日は昼休憩なし)
「ローマの休日」編:1世紀にわたって家族経営する老舗2軒を紹介
老舗「アル・ポンピエーレ」
アル・ポンピエーレはローマの歴史あるレストランだ。1928年オープン以来、モンテフェッリ家が100年近く経営している老舗中の老舗。2階の天井高9メートルの部屋にフレスコ画があるが、現在は、改装中なため地上階のみで営業中。それでも十分ゆったりした雰囲気だ。ゲットーにある16世紀の悲劇のヒロイン、ベアトリーチェ・チェンチ一族の建物で、トッレ・アルジェンティーナ広場とガリバルディ橋の間にある。「ポンピエーレ」とは消防士なのだが、名前の由来が面白く、初代オーナー(現オーナーの父)が、名物の唐辛子たっぷりペンネ・アッラビアータを出した後、客の口の中の「火」を消さなければならなかったため、だそうだ。また、この店では、ローマ名物カルチョーフィ・アッラ・ジュディア(ユダヤ風アーティチョーク)も大人気で連日大賑わい。ローマ産の丸くて大きなカルチョーフィを油でさっと素揚げしているので、外(花びら)はサクサク、中はしっとり甘くとても美味しい。そのほか、定番の前菜からアバッキオ(子羊の肋骨のグリル)、そして副菜やデザートまで、ローマ料理のすべてを網羅している。中でも前菜のバッカラ(「ラにアクセント」・アッラ・ロマーナ(タラの塩漬け)のフライは、衣が軽くて余分な脂がなく、また、タラも塩辛過ぎず絶品。リコッタチーズ詰めズッキーニの花のフライとセットで前菜として食べるのがお勧め。そしてプリモには何といってもカーチョ・エ・ペーペ。ペコリーノ(羊のチーズ)と黒胡椒だけ、というシンプルだからこそ、店によって差が歴然の一品。トンナレッリという太めのスパゲッティとよく合う。セコンドのサルティンボッカ・ローマ風(薄く切った子牛肉に生ハムを乗せセージとバターで焼いたローマ料理)も、肉が柔らかく美味。デザートにはリコッタとアマレーナチェリーのタルト。必ず電話予約することをお勧めする。
Ristorante al Pompiere
Piazza delle Cinque Scole, 28 – 00186 Roma
営業時間:12:30 – 15:00、 19:00 - 23:00 (定休日:火曜日、日曜日の夜)
電話番号:+39.06.6868377 (携帯番号: +39.345.9201979)
イタリア最古のジェラテリア「ファッシ」
ローマの歴史あるジェラテリア(ジェラート屋)「ファッシ」の進化を止めることはできない。このブランドは、1世紀以上もの間、職人によるジェラートの世界に革新をもたらしてきた。それは、ピエモンテ出身のジャコモ・ファッシがシチリア人の妻ジュゼッピーナとともにローマに移り住み、氷とビールを売る店を開いて以来である。同じ1880年、「テレ・ジェラート」(ドライアイスのおかげでジェラートは遠方へも出荷された)によってジェラート・ビジネスの真の創始者となり、1900年代初頭にジェラートを人気商品として普及させることに貢献した「ジョヴァンニ・ファッシ」が誕生した。ローマのピアヴェ通りにオープン、その後1928年、2つの戦争の間に、現在のプリンチペ・エウジェニオ通りのパラッツォ・デル・フレッドにあるリオーネ・エスキリーノに移転した。この宮殿の名、「フレッド」とは「冷たい」という意味、間違いなく名前も気に入って選んだのだろう!そして1年ほど前にオープンした2店舗目は正に当初の住所、ピアヴェ通り。「私の曽祖父ジョヴァンニが創業した場所から80メートル離れた場所ですよ」と、現在のCEOであるアンドレア・ファッシさん(写真)は言う。近年、2014年に祖父と伯母のジーナが韓国の大手食品企業「ハイタイ」と取引をした後、ファッシ・ブランドの国際化に貢献したのは彼だった。ファッシの所有権は外国にあるが、本社、税法、銀行、そして何よりも生産はイタリアのままだ。その歴史を学べるツアーもあり、子どもたちのグループが後を絶えない。ジェラートはもちろん、トッピングの生クリームも美味しく、生クリームの500グラムパックが売られていた。あまりに美味しく一気に食べてしまい、最後の一口をかろうじてパチリと撮影!
Palazzo del Freddo G.FASSI
Via Principe Eugenio 65/67, 00185 Roma
Tel:+39.06.4464740
営業時間:12:00 – 00:00 (日曜日は10:00から。日・月は 22:00まで)