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Report

Milano Report

酷暑だった6月から一変、7月2週目から断続的な雷雨と共に気温が下がり始め、7月末からは最低気温が20度を下回る日も多く朝晩が過ごしやすくなりました。それでも待ちに待った夏休み!ミラノを後に、ミラネーゼは海や山へと脱出しています。今月はミラノ情報に加え、モンテ・ビアンコ(モンブラン)からも涼をお届けします。

標高2千メートル超え、壮大なモンテ・ビアンコ山塊を映す美しきアルピ湖

ヨーロッパアルプス最高峰であるモンテ・ビアンコ(モンブラン:標高4807メートル)を中心としたモンテ・ビアンコ山塊は、「白い山」、という名の通り、山頂は年中雪や氷河に覆われている。壮大なモンテ・ビアンコ山塊を眺められる街、クールマイユールは、フランス・スイスと国境を接する北西イタリア・ヴァッレ・ダオスタ州にあり、冬はスキーリゾートとして、夏はドライブやハイキング、トレッキングなどが楽しめる。その中でも特に美しい氷河湖、アルピ湖を紹介しよう。 水は透明で、青からエメラルドグリーンへと色合いが変化し、鏡のようにモンテ・ビアンコ(モンブラン)の峰々を映し出す。そのアルピ湖へのハイキングは簡単で、誰でも楽しめる。山々の爽やかな空気を吸い込み、高地の絶景の中でリラックスしたり、ピクニックしたり、広大な草原で日向ぼっこをしたり、もしくは、更なる目的地へ進むための通過点としても最適な場所なので、ヴァッレ・ダオスタに滞在するなら絶対お勧めのトレッキングコースだ。アルピ湖はヴァッレ・ダオスタ州のモルジェ(Morgex)市にあり、クールマイユールから20kmほどと近いが、今年は6月中旬ごろまで雪があり通行止め、登山口からハイキングができるのは夏のほんの短い期間のみ。なぜなら、アルピ湖は標高2066メートルに位置しているからだ。登山口から緩やかなハイキングコースを歩き始めて1時間も掛からぬうちに、グリーンの湖が目に飛び込む。その透明な水面に映る雄大なモンブラン山塊を望む眺めは絶景だ!アルピ湖に流れ込んだばかりの氷河融解水はまさに氷水!足を浸けるだけで飛び上がる冷たさだ。気温は爽やかでも日差しはきつく、夏を楽しめる。クールマイユールからは車が便利だが、なくても登山口があるラ・トゥイール(La Thuile) までバスで30分、そこから登山口までの6kmを、夏は7月26日から8月24日まで無料シャトルが利用可能(要予約)。Lago d’Arpyで検索すると一般登山者が登山コースをYouTube投稿しているので参考になる。

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Lago d’Arpy
クールマイユール(Courmayeur) と ラ・トゥイール (La Thuile) 間のバス(所要時間 約30分)
ラ・トゥイール (La Thuile - Piazzale della fiera) と登山口(Arpy – La Ristorante Genzianella) 間の無料シャトルバス(所要時間30分) 前日に要予約 tel. +39.3292103008、予約受付時間13:45 - 14:15

モンテ・ビアンコの氷河を眺めながらのランチはプレ・ド・パスカルで

冬のスキー滑走中には何度かランチに立ち寄ったことがあったプレ・ド・パスカル。夏にきたのは初めてだったが、冬とは別世界で、青い芝生に氷河が映え、絶景を目の前にゆっくりランチができる素晴らしいお店なので紹介しよう。プレ・ド・パスカルは1972年に開業し、以来、家族で経営を営み続けてきた。1959年まで、ここは単なる牧草地で、祖父のダヴィデさんが毎年夏に牛を連れて訪れていたそう。ところが1970年、この場所には決定的な転機が訪れた。フニヴィア(funivia)と呼ばれるロープウェイがスキーヤーのために建設されたのだ。乗り場はクールマイユールから3kmという近さ。車が便利だが、バスでも10分。そこからロープウェイでレストランまで直行という便利さだ。レストランの所有地は氷河が目の前に迫る絶景スポット。夏には青く茂った芝生にたくさんの椅子が設置され、レンタルで寝椅子も利用でき、長くゆったり過ごせる最高の広場と化す。食前、食後にゆっくり過ごす人たちで終日賑わう。6月末の酷暑ではモンテ・ビアンコ山頂の気温が0度を超えた!というニュースが飛び込んだが、今は安定しているのでご安心を。そしてメニューだが、もちろんここもヴァル・ダオスタならではのメニューが満載。この日は山のチーズがたっぷり入ったリゾット、「リゾット・アッラ・ヴァルドスターナ」、「ポレンタ・アッラ・ヴァルドスターナ」にソーセージのグリル「サルシッチャ・アッラ・グリリア」。サービスで出された栗のワイン煮も、自家製バターも最高に美味しかった。寒くなければ外の席がおすすめ。レストランへのロープウェイは、エントレヴェス(Entrèves)より「フニヴィア・ヴァル・ヴェニ (Funivia Val Veny) 」を利用。夏も今年は6月28日から8月31日まで営業中。宿も兼ね備えているので一泊することも可能だ。

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Pre de Pascal
住所:Loc. Pré de Pascal, Val Veny 11013 Courmayeur (AO) Italy
Email: info@predepascal.com
ロープウェイ:Funivia Val Veny

卒業シーズン、乾杯に最適なマンダリンガーデン

イタリアで大学やマスターコースを修了した卒業生は月桂樹(イタリア語では「アローロ」)の冠を被る習慣がある。これは、古代ギリシャ・ローマ時代に、月桂樹が勝利と栄誉の象徴とされていたことに由来する。卒業試験を終え、晴れて卒業式を迎えた若者は、月桂樹の冠を被り、祝福を受けるのが一般的で、卒業生が知恵と学識を身につけたことを示し、聡明さと知性のシンボルとされている。実際、イタリア語で「卒業」を意味する「laurea(ラウレア)」という言葉は、「Lauro(ラウロ)=月桂冠」という意味のラテン語に由来している。さて、そんな訳で我が家でもマスターコースを卒業した家族が晴れて月桂樹の冠を被る機会に恵まれた。晴れて「学士号」を取得した者は「Dottore /Dottoressa(男性はドットーレ、女性はドットレッサ)」と呼ばれる。この冠を被ったまま、マンダリン・オリエンタル・ホテルの中庭へ行き、アペリティーヴォを注文したら、店員が気を利かせて、チョコレートで「Congratulazioni Dottoressa (博士号おめでとう)」と書かれたデザートのプレートをプレゼントしてくれるという粋な計らいが!さすが、5つ星ホテルだけあり、気分が更に上がる。2022年にマンダリン・バー&ビストロのリノベーション後、「マンダリン・ガーデン」と名称を変更したこの中庭は、猛暑が去った7月上旬からは、まだ少し日が残る時間からでも、実に快適にアペリティーヴォを楽しめる。クラシックでエレガントな中庭は、ゆったりしたソファとテーブルをふんだんに植えられたグリーンが包み込む。18時以降、4種類のクリエイティブなフィンガーフード(子牛のモンデギリとモルタデッラ、柑橘類と海藻でマリネしたサーモン、ディムサムなど)が、注文するドリンクの料金(平均 30€)内でサーブされる。一品追加する際には春巻きが大人気だ。ドリンクにはオリジナルカクテルがお勧めで、例えばHarmony Elixir は、禅の庭にインスパイアされた「本質が優れている」、というコンセプト。サントリーのクラフトジン、ROKU(六)をベースに、リキュールやスパイスを日本の梨ソーダで割っている爽やかな味わいが、穏やかで優雅な禅の境地へと誘う。また、Port Elizabeth はアーモンド入りコニャックをベースに、ティオペペ・シェリー酒、ルイボスとハニーブッシュのシロップを、ハイビスカスウォーターで割ったもの。絵画のように美しいケープタウンからインド洋に沿った有名なガーデンルートまで、南アフリカの魅力的な地域の色と味をとらえている。旅したい街を選び、風景を思い描きながら夏の夜長を楽しむのに最高のガーデン・アペリティーヴォだ。

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Mandarin Garden
住所:Via Andegari, 9, 20121 Milano
営業時間:7:00 – 01:00 (無休)
Email: momln-mandaringarden@mohg.com

夏限定、ブレラの秘密の庭園「チッテリオ・ガーデン」がオープン

昨年末にオープンした美術館、パッラッツォ・チッテリオの素晴らしい庭園内に、新たなオアシスがこの夏オープンし話題を呼んでいる。火曜日から日曜日まで誰でも利用できるカフェ・ビストロで、グランデ・ブレラ美術館(既存のブレラ美術館を含めた総称)の20世紀コレクションを鑑賞する人だけでなく、誰でも気軽に利用できるブレラの新しいオアシス「チッテリオ・ガーデン」の誕生だ。これは、グランデ・ブレラ美術館複合施設の一部であるチッテリオ宮殿の素晴らしい庭園内に生まれたオープンエアのカフェ・ビストロで、美術館の「秘密の庭園」として一般に開放された。チッテリオ宮殿は、ミラノ中心部のブレラ通り12-14に位置する18世紀のエレガントな邸宅である。1972年に国が取得したこの宮殿は、当時のブレラ美術館館長が構想した「グランデ・ブレラ」の中心となる予定だったが、このチッテリオ宮殿と、既に観光の中心となっているブレラ宮殿は、チッテリオ宮殿の庭園と植物園を通じて空間的に連続しているため、ブレラ絵画館とその事務所のスペース問題を解決する必要があった。また、チッテリオ宮殿の部屋には、エミリオ・ジェッシの有名なコレクションが収められていた。1972年の取得後、その修復と再開発への道のりは思いの外長く、困難と挫折を繰り返したが、2024年、ようやく、アンジェロ・クレスピの指揮の下、建築家マリオ・クチネッラ(今年、大阪・関西万博のイタリア館を手がけた建築家としても有名)が署名した新たなプロジェクトとレイアウトにより、チッテリオ宮はついに日の目を見た。この改修工事により、宮殿の歴史性がより強調され、革新的で包括的な空間へと生まれ変わった。庭園からアクセスできる美術館、パッラッツォ・チッテリオは木曜から日曜まで開館し、コレクションには、カラ、モランディ、ボッチョーニ、 モディリアーニ、ピカソ、ブラークを含む200点を超える作品が展示されている。また、完全にリニューアルされたスペースでは、現代美術とコンテンポラリーアートの展覧会も常時開催。そして、ブレラ地区でその歴史を体感できる新たなホスピタリティの拠点として生まれた庭園とカフェ・ビストロ「チッテリオ・ガーデン」へは、午前11時から午後10時まで利用可能。緑に囲まれたテーブルで、木陰でのアペリティーヴォや日没時のワインを一杯楽しむのに最適だ。サンドイッチやサラダなど軽めのランチもあり、のどかな休息の時間を過ごすことができる。

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Citterio Garden (Palazzo Citterioの夏のみ営業のテンポラリービストロ)
ウェブサイトInstagram
住所:Via Brera 12, Milano
営業時間:11:00 – 22:00 (定休日:月曜日)
電話:+39.3491660492

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