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Report

Milano Report

世界中の日本人が連日熱狂したミラノ・コルティナ冬季オリンピック。開催地のミラノは連日外国人でごった返し、公式マスコット「ティナ」が完売するほど。開催前にお届けした静けさはまさに嵐の前触れでした。また、市内で開催された関連イベントで最も興味深かった2展示も含め、今月もオリンピックニュースをお届けします。
ミラノ聖火台がミラノいちばんの人気スポットに!
オリンピック開催中、ミラノ市内でいちばん人が集まったのは、聖火台が設置された「平和の門」だろう。2026年2月7日から2月22日まで、毎日17時から23時まで毎時3分ほどの光と音楽のショーが開催された。ミラノ・コルティナ財団のデータによると期間中30万人以上の観客が集まったそうだ。レオナルド・ダ・ヴィンチの「ノディ・ヴィンチャーニ、レオナルドの結び目(Nodi Vinciani)」のオリジナルデザインから着想を得た聖火台は、動く太陽をイメージして設計されており、ショーのクライマックスにゆっくりと開くのが見どころ。色は変化し、音楽と対話し、太陽の白から夜の青、炎の赤から希望の緑、そして驚異の金色へと移り変わる。この体験をさらに強烈なものにしているのは、炎と光の演出に寄り添う、ロベルト・カッチャパリア作曲による「FUTURE」だ。閉会式の日は数千人が集まり音と光のアートが織りなした66回の最後のショーが行われた後、22時42分、聖火台は消灯した。マルコ・バリック、リダ・カステッリ、パオロ・ファンティンが手がけた聖火台は、軽量で耐久性に優れた航空機用アルミニウム製で、直径は3.1メートルから4.5メートルまで伸縮可能。伸縮するキネティック構造で、聖火を貴重な宝箱のように守っている。イタリアの創意工夫、デザインの美しさ、そして芸術、科学、感情を融合させる能力へのオマージュだ。この聖火台は3月6日のパラリンピックに再び点灯し、パラリンピック閉会式の3月15日に炎が完全に消えるまでミラノを照らし続ける。

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*左下の2枚はCity LifeのTre Torriがトリコローレ(イタリア三色旗)にライトアップされている様子
2026年冬季オリンピック聖火台 “Braciere” オフィシャルサイト
場所:Arco della Pace (平和の門), Piazza Sempione, Milano
期間:2026年2月7日-28日、3月6日-15日
光と音のショー:開催中 17:00 - 23:00 毎時3-4分間

モンクレール・グルノーブル:ビヨンド・パフォーマンス展 1952 – 2026

中心街の5つ星ホテル「ポートレート ミラノ」の中庭に突如、出現した「森」!惜しみなく樹木をぎっしり敷き詰め、仮設ブースに貼られたミラー効果で、中庭が森に変身した。ミラノ・コルティナ冬季五輪からミラノファッションウィーク2026秋冬ウィメンズの開催に引っ掛けて2月8日から2月末まで開催された「モンクレール・グルノーブル:ビヨンド・パフォーマンス展1952-2026」では、連日多くの人で賑わった。モンクレールの歴史は、雄大なアルプスの中心、手つかずの雪、険しい岩、透き通った氷の中で始まった。すべてが始まった山々の中で形作られる旅。壮大な過去から現在へと続く、三つの道からなる長い旅路が「森」の中で展開。ブランドの歴史だけでなく、より広範なパフォーマンスの概念、つまりアルプスから生まれ、文化的言語となった概念を伝えた。これは単なる回顧展以上の壮大なドラマ!山を題材にし、遺産を感覚的かつ概念的な体験へと変換する没入型の装置だ。最初のルートは、源流への回帰、「The Blue Trail」。1952年、グルノーブル近郊のモネスティエ・ド・クレルモンで誕生した当初は、衣服は美的表現ではなく、生存のための道具だった。出迎えるスリーピングバッグには、ヒマラヤで過酷な試練を恐れなかったデザイン思想が凝縮されており、まさにその試練の中で形を見出している。寝袋のほか、ウインドブレーカー、登山家リオン・テレイと共同開発した最初のダウンジャケットなどを通じて、その原初の緊急性を再現している。降りしきる雪、風に揺れるテントは、モンクレールが支援した1954年のイタリアのK2遠征を彷彿とさせる。ここでのパフォーマンスは、単なるショーではなく、ものづくりの倫理なのだ。続く2つ目の部屋「The White Trail」では、パフォーマンスとゲレンデをテーマに、1968年のグルノーブル冬季オリンピックにおけるフランススキーチームの装備から、2026年のブラジルチームのスポンサーシップに至るまで、ウィンタースポーツにおけるアドレナリンに満ちた遺産を展示。そして最後の「The Red Trail」では現在と未来をテーマに、山で生まれた唯一のラグジュアリーブランドの高性能かつスタイリッシュな進化を、ランウェイからアルパイン・デザインの未来を定義するアイテムを通して辿る。今年、開会式クライマックスでミラノの聖火台点火で話題をさらった「トンバ・ラ・ボンバ(爆弾トンバ)」の愛称で知られる伝説のアルペンスキー男子元スター選手、アルベルト・トンバが実際に着用した直筆サイン入り黄色いジャケットも展示されていてイタリア人の心を揺さぶった。

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Moncler Grenoble: La Mostra Beyond Performance 1952 – 2026
場所:Portrait Milano Hotel - Lungarno Collection 中庭 - Corso Venezia 11, Milano
開催期間: 2026年2月8日 - 28日

今大会でもタイムキーピングを担当したオメガのパビリオンが初登場し大人気に!

オメガは、1932年以来32回目となる公式タイムキーパーとしての役割を担うだけでなく、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックにおいて、独自のブランド体験「オメガパビリオン」を初公開している。正直、この展示を見るまでオリンピックでのオメガの活躍を知らなかったので驚いた。この没入型の楽しい空間では、世界中で最も愛されるスポーツの祭典の中心で、時間の精度、テクノロジー、そして歴史が融合。1932年から公式タイムキーパーを担っているオメガは、90年以上にわたりオリンピックの公式タイムキーパーを務め、世界最速のアスリートたちのパフォーマンスの1秒1秒を記録してきたのだ。ミラノにオープンしたパビリオンは、この精度と革新の歴史を称えるもので、テクノロジー、計時機器、インタラクティブなインスタレーション、スポーツと時間とのユニークな関係を紹介する興味深い展示を通して、その歴史を旅することができる。冬季オリンピック史上初めて、ミラノ中心部サン・バビラ広場に専用スペースを開設し、スイス製時計の精度を象徴する優雅な空間でオリンピック体験を提供。入るなりまずボブに乗り、着用する擬似体験メガネに映し出されるCG動画でスピード感を満喫。また、自分の顔を撮影してもらい、数秒で自分がスキーやスノーボードでジャンプする写真を合成してくれるサービスも人気。そして日本も大活躍したスノーボードやフィギュアスケート選手たちの連続したダイナミックな動きを一連の短い静止画に変換し、細かい動きを可視化できたのもオメガの技術だ。全てのイベントで最先端のテクノロジーを活用し、最高精度で100分の1秒単位の計測を行い、その役割は大会ごとに進化を続けている。

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OMEGA PAVILION
場所:Piazza San Babila, Milano
開催期間:2026年2月6日- 3月15日 10:00 - 22:00 (無休)

フィギュアスケート男子SPと女子公開練習観戦!

2月8日にミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート団体戦決勝が行われた。男子シングルで鍵山優真選手が108.67点という高得点でSP1位となるなど世界中の日本人が盛り上がった。米国のイリア・マリニンも人気をさらい、男子フィギュアスケートが女子に並んで注目され、慌てて男子プログラムのチケットを確認したところ、10日の男子ショートプログラムに280ユーロの席が奇跡的に残っており慌てて購入した。円にすると5万円だが、ユーロで暮らす人には「2万八千円」感覚。それでも安くはないが、スタンダードがなんと400ユーロ(約7万円)以上、良い席は1200ユーロ(22万円!)だったため「格安の席」だった。天井桟敷を覚悟でアッサーゴというミラノの南の会場に入ると、なんと滑走後の選手の退場口真上!採点結果発表を待つ「キスアンドクライ (Kiss and cry) 」もすぐ前という最高の席で気分も頂点に。その3日後のフリーではドラマがあったものの、ショートではみな、良い演技を披露してくれ楽しめた。テレビ観戦では味わえない熱気は会場ならでは。選手が良い演技をした時はもちろん、ミスがあった時も大声で声援を送る。自身の張り裂けんばかりの「叫び」が少しでも選手の背中を押してる!という気持ちが連帯感を高める。続いて2月18日には、翌日にフリーを控えた女子の公開練習の見学が全席30ユーロで販売されていたのでこちらも購入。みな練習着だが、本番通りに一人ずつ曲がかかり滑走する。大技をスキップする選手が多かったものの、「なま」でメダリストたち全員を拝めたのは貴重だった。翌日の結果は周知の通りだが、坂本選手の前日練習では、前奏でのトリプルツッツに続くダブルトーループをスキップ、2連続3回転ジャンプは2本とも跳んでいなかったので、どれだけ高難度コンビネーションが選手にとって負担か、改めて実感。僅差で惜しくも金を逃したものの、イタリア人の友人知人の誰もがまず絶賛したが坂本選手だったのがミラノ在住日本人には何より誇りだった。

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*左から:アリサ・リュウと坂本花織、坂本花織、鍵山優真、イリア・マリニン、佐藤駿、会場案内スタッフ、アッサーゴフォーラム、リナシェンテのオリンピックメダル照明

Milano Cortina 2026:Winter Olympics - Figure Skating 公式サイト

おまけ:開会式ドレスリハーサル

開会式の2日前、2月4日のドレスリハーサルは残念ながら小雨だった。そのため “ドレス” どころか、雨ガッパでのリハーサルとなった。観客席はかろうじて屋根があるもののサッカースタジアムなので屋外!風が吹くと雨も吹き込む。スキーへ行く格好以上に着込んで行ったが底冷えがした。それでも前から3列目という特等席でオリンピック開会式を見れたのは人生初(そしておそらく最後)の貴重な機会となった。スカラ座バレエアカデミー生徒70名による華麗な舞から始まり、5輪の巨大な輪が宙に引き上げられるシーンは圧巻で、その壮大なスケールに会場が沸いた。そんなリハーサルで面白かったのがマライア・キャリー。毛皮のロングコートを着て、後ろから傘をさされて歌うという滑稽な姿に、同席したイタリア人が「トトロみたい!」と実に的確に表現してくれた。楽しみにしていたイタリアが誇るオペラ歌手、アンドレア・ボチェッリの声が聞こえたかと思ったら、スクリーンに “見知らぬオジサン”が映り会場に落胆の声が広がる。それもリハーサルならではの愛嬌であった。世界的なトップピアニスト、ランランはジャケットを着て傘ナシで軽快に演奏。さすが大物の貫禄。そしてイタリアが誇る三大作曲家のヴェルディ、プッチーニ、ロッシーニの被り物はなんとサランラップぐるぐる巻きで踊っていた。これも雨だったこそ見れた希少なリハーサルシーンであった。

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Milano San Siro Olympic Stadium

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