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Report

Milano Report

雨が多かった5月、爽やかな季節をなかなか外で楽しめない日が続き、屋外イベントもヒヤヒヤでしたが、かろうじて合間を縫って開催できたピアノシティーやスポーツイベント、そして雨の日にはうってつけで絶対オススメの大規模な展覧会も続々と開催され、今回は屋内、屋外で楽しむミラノイベントをレポートします。

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5月のミラノはジャスミンとバラが満開!
右上:パンデミック後からミラノ市内に生息するリスを喜ぶ子ども。

5月の人気 屋外イベント その1・Run & Fun!

ミラノの凱旋門、アルコ・デッラ・パーチェ(平和の門)の広場で、5月18、19日の週末、第2回目となるサウジェッラのスポーツイベントが開催された。2日間にわたり、屋外でのヨガやランニングが行われるほか、日曜日には午前10時30分からセンピオーネ広場周辺で5キロまたは10キロの非競技レースも開催された。ラジオDJのペトラ・ロレッジャンが参加し、メディアパートナーである “Rds”の音楽でイベントを盛り上げ、また、子供向けのゲームやエンターテイメントも用意された。このイベントは、フランチェスカ・ラヴァ財団(NPH Italia ETS)を支援する 「サウジェッラ Run & Fun」として開催され、地元の医師による婦人科系の検診を実施し、150人の女性を支援した。
 プログラムは、そのほかにもレースの準備トレーニング、メイクアップ、ヘアスタイリング、マッサージ・セラピー、スキンケア・テスト、大道芸のパフォーマンスも開催。非競技レースでは、バギーを押しながら楽しそうに参加する若いママたちの姿も!ここが通常のマラソン大会と大きく違う。新緑の中、警備する騎馬憲兵の姿まで微笑ましい。
サウジェッラは40年以上にわたって、女性のデリケート部分のための製品を開発する研究に専念してきた、女性を守る最高品質の製品。全ての女性の健康的で活動的なライフスタイルを促進し、精神的・身体的ウェルネスに焦点を当てることを目的とする、女性の強い味方。今後、5月の恒例行事になりそうだ。

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Saugella Run & Fun
saugellarun.it ・ saugella.it

5月の人気屋外イベント その2・PIANO CITY MILANO

日の出前から深夜まで、ミラノの空がピアノの音色に染まる3日間。雨の合間を縫って、5月17日から19日まで、2011年以来、ミラノの変遷とともに歩んできたピアノの祭典「ピアノ・シティ・ミラノ2024」が帰ってきた。今ではすっかり恒例となったこのミュージックフェスティバルは、公園、中庭、一般公開される家屋、その他多くの普段は入れない場所も含め入場無料なため、年々人気を博している。小規模から大規模まで、ミラノ市内全域で270以上の見逃せないコンサートが開催され、150の素晴らしい場所で300人以上のアーティストが出演し、ピアノの音色を通して素晴らしい感動を体験できる。新しい開発地域から歴史的建造物まで、代表的な会場から、再開発中の会場まで、そして特別に開放されたスペースなど、クラシックからポップス、ジャズからエレクトロニックまでの、幅広いジャンルのピアノコンサートだ。メインステージはGAM-Galleria d'Arte Moderna(ガレリア・ダ・アルテ・モデルナ)の庭園で、3日間ノンストップで音楽が響き渡る。
 初日の金曜日の夜は、昨年逝去した偉大なる坂本龍一を偲んで、最後のコンサートを、息子のネオ・ソラが監督したフィルム・テスタメントで開幕。土曜日は、7歳でデビューしたことで知られるイタリア人ピアニスト、コスタンザ・プリンチペが演奏し、夜が更けると共に音楽はとジャズへ。真夜中には、星空の下でエレクトロニック・ミュージックが鳴り響く。そして、今年、話題となったのは日曜日の明け方5時開演だったコンサート。センピオーネ公演の中央に常設されている舞台を囲み、演奏と共に朝日を拝む、という粋なプログラム。車のない人は自転車などで駆けつけたそう。演奏したのは中国の若きスタインウェイ・アーティストであるジ・リウ(中国)。シューベルトやオリジナル曲を演奏した。そして最終日の夜は、アメリカ人キーボード奏者、ジェイミー・サフトや、英国出身のミュージシャン、リック・ウェイクマンで締めくくった。各イベントは入場無料だが、空席状況により入場できない場合があるので、人気な演目は公式ウェブサイトより事前予約がベター。今から来年のプログラムが楽しみだ。

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最終日のフィナーレ、メイン会場GAMにて
PIANO CITY MILANO
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イタリアのハートと手仕事が詰まった宝石箱、ドルチェ&ガッバーナ展 開催中!

パラッツォ・レアーレ(ミラノ王宮)で開催中の、ドルチェ&ガッバーナ(以下、ドルガバ)の 『From the Heart to the Hands: Dolce&Gabbana』 展が話題を呼んでいる。ドルガバ集大成!とも言える、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナが40年以上にわたって成し遂げてきた最高峰であるアルタ モーダ (女性用高級仕立服)、アルタ サルトリア (男性用高級仕立服)、アルタ ジョイエッレリア(ハイジュエリー)のコレクションを一堂に会し、ため息が出るほど細部まで作り込まれた展示は圧巻だ。マネキンを並べるだけでなく、各部屋がテーマに沿ってオペラの舞台のように床から天井まで作り込まれた没入型のインスタレーションに圧倒される。ファッションの枠を超えた芸術作品は、イタリアの伝統工芸、職人技、歴史、デザイン、建築、音楽を贅沢に詰め込んだおとぎの国の世界。現代では永遠の夢でしかない歴史に残る豪華絢爛な世界へタイムスリップさせてくれる。

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10章からなる展示は、ルネサンス期のヴェネツィアを代表する画家ティントレットの最高傑作で知られるサン・ロッコ・スクオーラ・グランデ(サン・ロッコ大同信組合)の壮麗さにインスパイアされたインスタレーションを通して展開される。鏡張りの天井を持つ大きなギャラリーには、アーティスト、アン・ドゥオンの絵画に囲まれたメインピースが並ぶ。次の部屋はヴェネツィアの由緒あるガラス工房、AAV.バルビーニの鏡とバロヴィエール&トーゾの壮大なシャンデリアに照らされ、マネキンが纏うピンクや青のハンドメイド・ガラスの花たちがジュエリーのように煌めく。続くはドルガバを魅了して止まないヴィスコンティの映画、『山猫』の舞踏会シーンを再現した部屋。また、オートクチュールのテーラーの実演もある。ローマのファルネーゼ宮殿の建築を再現したルネサンス様式の部屋や、有名な絵画を綿密に模した豪華なドレスも。2019年にアグリジェントの神殿の谷で開催されたランウェイの衣装を通して、ヨーロッパやイスラムの影響を強く受けたシチリアのギリシャ・ヘレニズム文化のルーツを垣間みることができ、フィナーレでは、ミラノのスカラ座とその赤いベルベットに覆われたステージへのオマージュを再現、マスカーニ作曲の歌劇、 『カヴァレリア・ルスティカーナ』 の有名な間奏曲の切ないメロディに浸りながら、出口手前では金色に輝くミラノのドゥオモのマドンニーナで締めくくられ、ミラネーゼの心を打つ。

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『ディオール:パリから世界へ』 や 『イヴ・サンローラン:レトロスペクティブ』 を手がけたフランスのファッション史家、フロランス・ミュラーがキュレーターを務める展覧会は、4月7日から7月31日まで開催され、終了後は世界を巡回予定。この壮大な展覧会、『フローム・ザ・ハート・トゥ・ザ・ハンズ』 はドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの傑作のショーケースであると同時に、世界に誇る芸術を生み出してきたイタリアの歴史への敬意と熱い想い(ハート)が、彼らの手仕事(ハンド)によって、新たな芸術の歴史を刻んでいることに感銘を受ける。

伊:Dal Cuore alle mani: Dolce&Gabbana
英:From the Heart to the Hands: Dolce&Gabbana
https://www.palazzorealemilano.it/en/mostre/dolcegabbana
会場:Palazzo Reale
会期:2024年4月7日- 7月31日
時間:10:00 – 19:30 (月曜休館・木曜日は22:30 まで)

60年代を彩った女性!ガエ・アウレンティ大回顧展 開催中!

ミラノのデザインミュージアム、トリエンナーレ・ミラノで、イタリアの建築とデザインを語るのに欠かせないデザイナーの60年にわたる仕事をたどる待望の展覧会「Gae Aulenti /ガエ・アウレンティ (1927-2012)」が始まった。「ガエ・アウレンティ」と聞くと、近年観光で訪れた人は聞き馴染みがあるはず。そう、今やミラノのシンボル的広場となったミラノ再開発地区ガリバルディ駅前に、2012年12月オープンしたシンボル的広場の名前だ。オープンする2ヶ月前に奇しくも他界したイタリアが誇る女性建築家に敬意を表し名付けられた。
 今でこそ女性も活躍するフィールドだが、まだまだ「女性」が君臨することのなかった業界で、20世紀後半の建築とデザインにおける最も重要な人物の一人であると誰もが認めている。
 60年以上にわたる多作なキャリアの中で、アウレンティはさまざまなプロジェクトに取り組み、舞台美術やグラフィックも手がけてきた。その中には、なんと、パリのポンピドゥー・センターやオルセー美術館、そしてヴェネツィアのパラッツォ・グラッシの改修もあり、サンフランシスコのアジア美術館など、美術館建築の分野でも世界的に活躍した建築家なのだ。スカラ座などで公演されたオペラの舞台芸術も手がけ、その一部も再現されている。
 そして会場で一番目を引くのがフィアットの車!これはガエ・アウレンティが1973年に設計したチューリッヒのフィアット・ディーラーを復元したもの。展覧会は、孫娘のニーナ・アルティオーリがローマで共同設立したTSPOONによって実現。オルセー美術館レイアウトや個人宅、駅、劇場など、作品の一部を1:1の縮尺で紹介し没入型のイベントとして楽しめるのが魅力。また、数々のスケッチ、旅行メモ、電報、写真も展示。当然ながらパソコンや携帯のなかった時代、全て手書きで緻密に描かれた設計図やメモなど、今見ると希少で美しく、その価値を再認識させられる。
 展覧会は1964年のトリエンナーレで展示され、賞を受賞した『Arrival at the Seaside (海辺到着) 』 の再現した鏡に写るピカソの女性シルエット ( 『海辺をかける二人の女』 に描写されている女性たち) の群れから始まり、彼女が最後の別れを告げた、アッシジの聖フランチェスコにちなんで名づけられたペルージャの小さな空港(2007-2011)の断片にたどり着く。ニーナ・アルティオーリは、「彼女もきっとこの展覧会を楽しんだことでしょう」と締めくくった。

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Gae Aulenti(1927-2012)
会場:Triennale Milano
会期:2024年5月22日- 2025年1月12 日
時間:10:30 – 20:00 (月曜休館)

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