JP | ENfacebook

Report

Milano Report

パリ五輪に沸いた2024年夏。イタリア選手も奮闘し、バカンス先から多くの人たちがパリへ声援を送りました。今回はその公式ユニフォームの紹介や、夏休み中もインスタでシェフ直々に料理を発信し続けたミラネーゼに大人気のレストラン、そしてミラネーゼの山のバカンスでは人気ナンバーワンのクールマイユール(モンブラン)よりお届けします。

2024年パリ五輪、イタリア公式ユニフォームに隠されたメッセージとは?

オリンピックに沸いた2024年夏。2024年7 月26日、パリ五輪開会式でのイタリア選手団はアルマーニブルーを纏って登場した。 そう 2012年以来、イタリアの公式スポーツユニフォームはエンポリオ・アルマーニ(ジョルジオ・アルマーニ社のライン)によって作られている。なので、今大会のユニフォームも昨年、エンポリオ・アルマーニの2024年春夏メンズ・ファッションショーで発表された。 オリンピックとパラリンピックのイタリア代表選手6名ずつがステージで国旗を掲げて披露した。定番のアルマーニらしいエレガントで機能的なユニフォーム、実は今回のユニフォームには、愛国的なメッセージが隠されていた。 まず、スウェットシャツには「W l'Italia」と刺繍されている。「W」とは「Viva(ヴィーヴァ)」の略で、「Viva l’Italia(イタリア万歳!)」というメッセージなのだ。一方、ポロシャツとTシャツの襟の内側には、国歌の冒頭部分が刺繍されている。また、ジャケットの内側には、国家の第1節の全文がプリントされており、アルマーニからのオマージュに選手のモティベーションもさぞ上がったことだろう。 そのほか、公式グッズはスニーカーからトロリーやバッグ、バックパック、さらにはキャップ、トレーナーも供給している。これらのグッズはオリンピック及びパラリンピック開催中、一部のショップでも一般向けに販売されている。 例えばリナーテ空港内のエンポリオ・アルマーニのショップでも購入できる(写真参照)。お値段は、ポロシャツ90€、トレーナー 110€、リュック 130€ と、アルマーニにしては、さほど高くない。ちなみに、ミラノとコルティーナは来年、2025年の冬季オリンピックの開催地。もちろん、公式ユニフォームはアルマーニがデザインすることが決定している。開催国でのデザイン、今から楽しみだ。

milano

Emporio Armani Official Outfitter of Italian Olympic and Paralympic Team 2024

クールマイユール:モンブランを眺めながらデザートにモンブラン!

イタリアで、そしてヨーロッパで一番高い山、モンブラン。フランスとイタリアの国境にそびえ立ち、イタリア側の麓の街、クールマイユールには年間通してヨーロッパ中から人が押し寄せる。
ミラノからは車だと約2時間半(約200km)の距離なので、多くのミラネーゼが愛する街でもある。標高1224mに位置し夏は涼しく避暑やハイキングに最適、冬はもちろんスキーヤーで賑わう。
ヴァッレ・ダオスタ州に属し、ここで食す郷土料理が美味しい。天気が良い日に絶対お勧めなレストランは、中心地から車で15分ほど走った山の中腹に位置する「ラ・グロッラ」だ。ここのテラスとお庭からの景色は絶景だ。
テラスの真ん前にモンブランと氷河、そしてその左側に果てしなく続く美しいヴェニ峡谷(Val Veny) を一望しながら、郷土料理のポレンタと赤ワインでじっくり煮込んだ生ソーセージのソース掛けを、地元の赤ワイン「Lo Triolet Torrette」をすすりながら食す。

なんとも贅沢なひととき。リゾットも絶品で、地元のリンゴをカモミールと一緒に炊いてバルサミコ酢で仕上げている。お店で焼いているパンもモチモチしていて美味しい。ふとお皿を見ると蝶が止まっていた。
そしてデザートはやっぱり、、、「モンブラン」!ただ、イタリアではそう呼ばないので、メニューには「Coppetta di castagne con panna montata (コッペッタ・ディ・カスターニェ・コン・パンナ・モンタータ)」、つまり、「カスターニェ」が栗で、「パンナ・モンタータ」がホイップした生クリーム、というドルチェを注文すると出てくる。ちなみに、この「ラ・グロッラ」は1972年創業、今は創業者の息子世代、さらには孫世代も加わり、伝統を引き継いでいる。イタリア女王やスペインの国王、ローマ法王までが訪れており、ホスピタリティでも名を馳せている。

milano

LA GROLLA
Località Peindein, 8 – Val Veny 11013 COURMAYEUR (AO)
Tel: 338 4265695
Email: ristorantelagrolla@gmail.com
営業時間:9:00 – 23:00 (無休/事前に要確認)

クールマイユールを語るのに欠かせないGARIN家の愛らしい山小屋ショップがオープン

「オーベルジュ・デ・ラ・メゾン」はクールマイユールに1996オープンした5つ星ホテルだ。オーベルジュとは宿泊施設を併設した郊外のレストランのこと。そしてオーナー、GARIN家の歴史の始まりは、戦後、1950年代に遡る。この地域のホスピタリティに多大な貢献をしてきた一家(現在のオーナーの祖父母)が観光客に4部屋を貸し出し、料理が得意だった祖母がフェレ峡谷のレストラン「ベルヴェデーレ」を引き継ぎ成功したことから、事業を拡大、クールマイユールで有名なレストラン、La Maison de Filippo (ラ・メゾン・ド・フィリッポ)を購入した。モンブラントンネルが開通した1965年にオープンしたことで、ヨーロッパ中のセレブがクールマイユールを訪れるようになり、街はスキーリゾートとして爆発的な発展を遂げレストランも繁盛した。更に、このレストランは1975年に著名なコメディ映画「Fantozzi(ファントッツィ)」の舞台になったことでも知られている。今は他の人の手に渡ってしまったが、GARIN家はオーベルジュ・デ・ラ・メゾンなどで成功し続けている、というわけだ。そのメゾン(ホテル)に隣接した新しいスーベニアショップがオープンした。愛らしいシャレーは、「Maison des Souvenirs(お土産=思い出の家)」と呼ばれ、オーベルジュの思い出の品々や伝統的な暮らしの品々が所狭しと並ぶ。GARIN家の歴史を記した本や、宿泊ギフト券、そしてイチオシがオーベルジュのオリジナルキャンドルやフレグランスだ。ウッドやベリー、干し草、苔、ジュニパーなど、モンブランの香りがいっぱい詰まっている。そのほか、アルプス・スタイルのポーチや小物、アオスタ渓谷の歴史あるワイナリー、Maison Anselmet がオーベルジュ専用に作る木箱入り赤ワイン「フィリッポのワイン」なども販売されている。ところで、お店に入ると誰もが床の美しい模様が目をひく。カーペットのように見えるが、なんと陶器なのだ。オーベルジュのオリジナル・スカーフの模様(トワルドジュイ/toile de Jouy)がプリントされていて美しい。トワルドジュイとは、人々が遊ぶ、のどかな田園風景を単色の濃淡で優雅に描いたデザインで、テラスのパラソルの裏にもプリントされている。フランス色豊かなクールマイユールの夏の醍醐味を描いているようだ。

milano

La Maison des Sourvenirs / Auberge de la Maison
Via Passerin D’Entreves, 16A, 11013 Courmayeur (AO)
営業時間:無休(閉まっている際はホテルのレセプションに尋ねれば開けてもらえる)

インスタ配信で益々人気沸騰中、ミラネーゼ御用達レストラン「ラタナ」

「ボスコ・ヴェルティカーレ(垂直の森)」で有名になったイゾラ地区。そのツインタワーの麓に広がる美しい公園内に「ラタナ」がある。
近年の都市開発で変貌を遂げたエリアだが、職人や芸術家などが住むイゾラの本質を失うことなく新しい「大都市の中の小さな街」として生まれ変わったエリアだ。
レストラン「ラタナ」は2009年のオープンし、今や、ミラノで最も著名なレストランのひとつになった。建物は19世紀後半に鉄道倉庫として建てられ、20世紀には映画のセットや現代アートの工房として使われたアール・ヌーヴォーの建物を改装したもので、エリアのシンボル的存在だ。
レストラン名は、20世紀前半イゾラ地区に住み、庭で育てた薬草で病人を治したと言われる神父、ドン・ジュゼッペ・ジェルバシーニ(通称「ラタナの神父」)にちなんでいる。そして「ラタナ」のシェフ、チェーザレ・バッティスティは、2015年ミラノ万博のアンバサダー・シェフの一人。
ミラノとロンバルディア州の伝統料理を継承しながら、チェーザレ流に再解釈し洗練された料理を提供する。そのチェーザレが最近、インスタグラムでレストランのメニューにある料理を紹介し始めたことで更に人気沸騰、海外からの観光客も増えたようだ。

ミシュランガイドにも掲載されている料理を自宅で!と、インスタを見ると、使っている素材や、手間暇かけた下ごしらえなど、コストや時間、手間、そして、失敗するかも知れないリスクも考えると、「作るより食べに行きたい!」となり完全に罠に引っかかる。(笑)
例えば、「カチョ・エ・ペペのリゾット」。ペコリーノチーズと胡椒を絡ませるだけ?!のシンプルで美味しい一品だが、ラタナ風はちょっと違う。
まずブイヨンにもペコリーノを入れ、一度漉している。胡椒は3種を乾煎りしてから潰す。アクセントとなるイチジク(今が旬!)は塩コショウし、180度のオーブンで20分焼き、ホイップで潰してジャム状にする(ここまでは自力でできるかもだが・・・)。 飾り用のイチジク(当然オーガニック!)は、500g のイチジクの葉を300gのオイルとミキサーにかけたものに漬け込んでおく(ここで既に挫折気味・・・)。リゾットが炊けたら火を止め、冷たいバターとチーズを入れ手早く混ぜる。
お皿にジャム状のイチジクペーストを敷き、リゾットを乗せ、オイル漬けのイチジクと胡椒をたっぷり乗せ、更に最後に、1本分の赤ワインを胡椒とイチジクの葉と一緒にコップ半杯量まで煮詰めたソース(ここで完全に挫折!)を掛けて完成!!最後のソースはバルサミコ酢のような風味なので家庭では代用も有りだが、ビデオを見ると、やはりオリジナルレシピ通りの一品を食べたくなる訳だ。
同様に桃と山羊チーズのラビオリ、タルタル、そしてアプリコットとバジルソースのドルチェも正に「食べに来てよかった!」と120%満足して帰れる(いくつかのレシピリンクを貼っておく)。今回は注文しなかったが、ミラノ料理の定番、モンデギーリが乗ったリゾットも絶品でラタナの看板メニューだ。日替わりメニューのビジネスランチ「スキシェッタ(ミラノ弁のお弁当)」は、2品にグラスワインと水、カフェが付いて24€とかなりお得でお勧めだ。ひょっこり現れた本人に「インスタフォローしています!写真を!」と声を掛けると、手を差し出し「僕はチェーザレ、あなたは?」と丁寧に握手してくれたことも、更に好印象だった。

milano

Ratanà
Via Gaetano de Castillia, 28 Milano
営業時間:12:00 – 14:30、19:00 – 23:00 (無休)
Tel.: 02 8712 8855

カチョ・エ・ぺぺのリゾット
タルタル
アプリコットとバジルソースのドルチェ

サービス紹介はこちら管理プロパティ一覧はこちら
友だち追加