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Paris Report

オリンピック寸前のパリですが、全然盛り上がりを感じません。
先日まで本当に寒くて雨で、パリジャンは「これじゃ冬季オリンピック?」と言って笑っていました。そんな中、『ECの選挙で大騒ぎ』、『ユーロサッカーが熱く、カフェやバーで騒ぎながら観戦』、「6月30日の選挙結果でまた騒いで」、とオリンピックどころではない街の雰囲気です。「7月7日2回目の選挙でまたどうなるか?」、「若者は街角で投票しよう!」とチラシを配り政治家は走りまくっています。オリンピックは本当に開催できるのでしょうか?パリ市は「オリンピック開催中、パリから出てください」と呼びかけています。セーヌ川沿いや中心地に住んでいる人たちは、コロナの時のような通行QRがないと、家に帰れません。交通規制がありすでに渋滞になっています。

コンコルド広場

ヨーロッパで一番美しい広場と言われているのが『PLACE DE CONCOEDE』です。毎年、7月14日の革命記念日には、凱旋門からシャンゼリゼ通りを通り大統領や閣僚、各国の大使が揃っているコンコルド広場までの軍事パレードが行われます。
が、今年は、どうなるのでしょうか?コンコルド広場は、どこかの大型都市開発現場?と言えるぐらいの規模で立ち入り禁止、巨大な観覧席や観覧ブースができています。
地下鉄コンコルド駅もその前後の駅もクローズ。競技が始まったら開くのかもわかりません。コンコルド広場は『アーバンパーク』と名付けられ、若い世代から人気のスケートボード、ブレイキング、BMXフリースタイル、3x3バスケットボールの会場になります。フードコートもあり、なんとそこは、オーガニックのベジフードになるそうです。
広場のまん中にあるオベリスクの塔の近くには、プレートがありここが公開処刑場であってこと。1793年1月21日ルイ16世。1793年10月16日マリーアントワネットが処刑されたと記載されています。ギロチンで処刑される貴族達を見学に近在からも手弁当で、多くの人々が、この広場に集まったそうです。
何百もの処刑が続き、近くを流れるセーヌ川は、赤く染まったと言われています。歴史は流れ、今年は、スポーツの祭典しかも今時の競技の会場になるとは、マリーアントワネットもびっくりしているのでは、ないでしょうか?

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MIKIMOTO

『宝石の広場』と呼ばれるヴァンドーム広場には、フランスのハイジュエリーのお店が並んでいます。
私がパリに住み始めた30年前、フランスの宝石店が立ち並ぶ広場に『MIKOMOTO』があるのを見つけて驚いたことを思い出しました。ヨーロッパでは、真珠を貴重な宝石として大切にしているので、一軒だけ外国のお店の開店を許されたのだろうと思いました。このヴァンドーム商店街は格式が高く、規制が厳しいようです。数年前にやっとグッチの小さなお店ができたぐらいです。
今回のオートクチュールの期間にMIKIMOTOは、新作のハイジュエリーコレクションを発表しました。テーマは『THE BOW』。伝統の職人技を現代に昇華させたため息が出るほど素晴らしく美しいマスターピースの数々が展示されていました。 会場は、クラシックなホテルですが、巨大な真珠などのコンテンポラリーなオブジェが、新作を一層盛り上げていました。会場では、ミシェルヨーさんや日本からは、Number_iの神宮寺さんの顔が見えました。モデルの衣装はオートクチュール協会で現在ただ一人の日本人デザイナーYUIMA NAKAZATOが、今回のビジューにあわせて作られた物でした。
オートクチュールの時期、さらにクチュール感を感じる素晴らしいイヴェントでした。

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展覧会

エッフェル塔の足元、メトロ6番線のビアアケム駅からすぐのいい所に日本文化センターがあります。一階には、日本の雑貨、文具を扱っている店舗。カフェは、ONIGIRI BARというおにぎりとお茶のコーナーがあります。パリではこの頃すっかり『ONIGIRI』が普及しています。
この時期開催されている展覧会は、2人の偉大な建築家のプロジェクトの重要性に焦点を当て、今日の日本建築への影響、フランスとのつながりを紹介してくれました。
丹下健三氏と隈研吾氏。1964年と2021年の東京オリンピックのために建設された国立代々木競技場と国立競技場の産みの親。2度のオリンピックのため東京には、多くの競技施設が建築されました。特に丹下健三氏が、設計した国立代々木競技場は、なんと2度のオリンピックで競技会場として活用されオリンピックレガシーとなり、2021年に重要文化財になったそうです。隈研吾氏が設計した国立競技場は、陸上競技場のみでなく、開会式、閉会式の場所として利用されたことで、21世紀の東京を世界に知らしめたことになったとのことです。
会場には、渋谷、青山、神宮の1/1000の模型があり2つの競技場を比較できて楽しいでした。フランスにおける丹下健三氏は、建築家コルビジェやシャルロット・ペリアンとどのような交流を持ったかを紹介されていました。隈研吾氏は、フランスの多数のプロジェクトを模型とCGで展示してありました。

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14番線

パリの地下鉄は、どんどん郊外に伸びています。14番線は、無人で動いている路線で、フランスの得意技のストの時でも動いています。
この路線が、オリンピックのためスタッドドフランス競技場に近い新たな駅をオープンしました。設計は、上記でも紹介した隈研吾氏です。マクロン大統領が、新駅のオープンをしたと聞いたので日本人建築家が設計したフランスのメトロの駅を見に行きました。
13番線でMairire de St-Quenへ行き、14番線に乗り換えようと駅で降りたところ、反対方向の表示はありますが、新しい駅の方面の表示がどこにもありません。オープンしたと聞いたが?やられた、フランスあるあるか、とまた13番線に乗りスタッドの近くで降りて地上から新駅を見に行こうとしましたが、誰に聞いても新駅のことを知りません。
交番のないフランス。しょうがない、これがフランス。と諦めて帰ろうとまた13番線に乗り一応14番線の表示がある方のホームだけでも見てみようと思い、元の駅に戻りました。表示がない方のホームへの階段は、おかしい事に閉鎖されていなかったので、恐る恐る降りると、ご婦人が一人だけいました。「ここから新駅、St-denis playelに行くきますか?」聞くと『多分、、』との答え。しばらく待っていると駅の表示のないホームに14番線が入ってきました。
やっとの思いで到着することが出来ました。パリの中心駅とは、全く違って宇宙船の中?と空想できるような空間。ホームから出ても誰もいない、圧巻のエスカレーター、未来都市にワープしてしまったようでした。
そして木造りの香り!天井からフル注ぐ柔らかな自然光。エスカレーターに乗っている間の気持ちよさ。東京の国立競技場に行ってきたフランス人が、木の香りと冷房がないのに涼しい風が気持ち良かったと言っていました。これが、隈研吾氏の建築かと、人気のない駅で勝手に思っていました。
白いヘルメットを被った隈研吾氏の画像は、パリの隈事務所から提供していただきました。後ろのイラストは、ご本人が作成なさったそうです。

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